JOURNAL
INTERVIEW
AS IT IS にまつわる方へのインタビュー
「 福井・昆布屋孫兵衛 」
17代目が作る和洋菓子とAS IT ISが作る世界。
- INTERVIEW
- 2024.06.09
「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」「アン グラン」。国内外のフランス菓子の名店でパティシエとして活躍してきた昆布智成さん。2023年帰福し、240年の歴史を持つ老舗和菓子店「昆布屋孫兵衛」を継承。店内では昆布さんの作るデザートを SUGATAのカトラリーで食べることができる。『AS IT IS・SUGATA』との出会いについて伺った。
昆布屋孫兵衛が作る唯一無二の和洋菓子
ーー福井に戻り和菓子屋を継承して変化はありましたか?
はい。和菓子のアップデートを考えるようになりました。従来の和菓子は味のトーンに変化が少ないので、ベルガモットやローズマリーなどを使って酸味や香りのある和菓子にしてみたり。また、福井ならではの酒粕や、父の炊いた粒あんを洋菓子に使うなど、色々と変化がありますね
日本のものづくりを空間にしつらえる。
ーー店内の什器やテーブルウエアは日本の工芸が活きていますが、こだわっている点はありますか?
そうですね。いわゆるケーキ屋ではないので、ショーケースは置かない代わりに、生菓子をお客様に選んでもらうための菓子箱を福井の素材で作りたいと考えていました。
福井の漆器と出会い、職人に保冷もできる特別な菓子箱を作ってもらいました。それに合わせカトラリーレストや菓子皿も漆器を使っていますが、木目が残るよう漆の量を調整しています。他にも色々な工芸職人と一緒にプレートなどのしつらえを用意しています。
それに合わせカトラリーレストや菓子皿も漆器を使っていますが、木目が映えるように漆の量をを調整しています。他にも色々な工芸職人と一緒にお皿やしつらえを用意しました。
ーーものづくりのルーツにこだわりながらも、昆布さんのエッセンスが効いていますね。
既存の工芸品のままでは、お店に合わない部分があるので、職人と対話しながら「今」の感覚に合う仕上げを目指しています。
菓子作りもそうですが、なるべく人がやっていないものを作り、お客様に福井を知ってもらいながらも、新しい体験をしてもらえたらと思っています。
歴史の重み。福井で老舗和菓子店を継ぐきっかけ。
ーー東京ではアングランのシェフ・パティシエとして人気を博していましたが、なぜ福井で実家の和菓子屋を継ごうと?
僕自身、ずっと東京で続けていくものと思っていたんですが、ある経営者に「お金では買えないものがある。それは”歴史”だよ」と言われたことが心に残っていました。
その後、自分でなければできないことは何かと考えた時、それは、福井に帰り240年続く和菓子屋を継ぐことだろうと思ったんです。
東京から世界に発信することは普通のことですが、福井からそれができたらかっこいいですよね。実際、福井に移ってからも、国内外から仕事のオファーがあり、有難く思います。製菓用シリコンモールドで有名なイタリアのシリコマート社からは、僕がデザインしたお菓子の型が世界中に販売されることになったんですよ。
AS IT IS SUGATAとの出会い
ーー進化が止まらない昆布さんですが、カトラリーをAS IT ISに選んだきっかけは何ですか?
数年前、AS IT ISブランドディレクターの鶴本晶子さんとお会いした時に、彼女が熱く語っていた「口離れの良いスプーン」が強く頭に残っていたんです。当時僕も、同じようなことを考えていたのでとても共感しました。
口離れの他にも、カトラリーのサイズ感や質感で「おいしさ」の感じ方って変わりますよね。例えば、かき氷を木のスプーンで食べた時、いくら美味しくても、木の湿り気や口にくっつく感じが不快に感じてしまうように。食べるものに対してカトラリーの質・サイズが合っていることはとても大事なことです。
自分のお店を開くにあたっては、僕もかっこいいカトラリーを使いたいと思っていましたが、レストランでもよく使用されるカトラリーは海外製が多く、かっこいいけれど日本人が口にするには少しサイズが大きい気がします。
SUGATAを試した時、見た目も良かったし、サイズ感や手に持った時の馴染み方、バランス、重量、全てがちょうどよく、持った瞬間に「これだ!」と思いました。特にアイスクリームを食べるとよくわかります。
プロが作る究極の使い心地
ーーSUGATAは、ノーベル賞の晩餐会にカトラリーを提供している新潟の山崎金属工業で作っています。山崎さんはカトラリーに対する知見がとても深く、シーンや料理に合わせたカトラリーを用意することができるんです。そんなプロフェッショナルと一緒に作ったSUGATAは、「削ぎ落とし、あらわれたすがた」をコンセプトにしています。これは、ヨーロッパカトラリーの文脈から削ぎ落としたのではなく、箸の文化を意識しています。箸の口離れの良さがそのままカトラリーになったようなイメージです。
SUGATAは、食べやすさを追求して作られているのがわかり、その点においてもその道のプロが作るものは違うなと思いました。
実際に、ここで食べていかれるお客様もカトラリーが気になるようで、「これ、どこのもの?」とよく聞かれるんです。
他のレストランに行っても、料理とカトラリーが合ってないなと思うことがよくあるので、みんなもっとSUGATAを使ったらいいのに(笑)、と本当に思っています。
昆布智成
1981年生まれ、 福井県出身。
2004年 日本大学商学部卒業
2006年 東京製菓専門学校卒業 同年 東京に拠点を置きオーボン・ヴュータンにてフランス菓子の基礎を習得。その後「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」入社、2011年メープルスイーツコンテスト入賞の経歴を持つ。
2012年 渡仏し、南仏のパティスリー「リエデレ」でMOF(国 家最優秀職人章)に師事しガトー・グラッセや地方菓子を学ぶ。その後、パリでは2つ星レストラン「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」でデセールを担当。2015年 アン グラン スーシェフ パティシエとして入社。2019年4月よりシェフ パティシエに就任。
福井・昆布屋孫兵衛
福井県福井市松本2-2-6
TEL 0776-22-0612
営業時間 月・木・金・土・日 10:00 - 17:00
定休日 火・水
イートイン予約可能